居心地のよい、ゆとりのある家づくりのためには、どれぐらいの床面積が必要なのでしょうか。
平成28年のデータでは、全国平均で延床面積39坪でした。ただ、家の広さは地域によってかなり差があります。地方ほど広く、反対に土地の限られる都市部の住宅は狭いです。
単身用、家族向け合わせたデータになりますが、東京の賃貸マンションの平均は17坪とコンパクトで、以下に首都圏の住宅が狭いかが分かります。
また、住宅の面積は年々狭くなる傾向にあり、新しく都市部で建てられている住宅は42坪よりもずっと狭いものが多くなっています。
最近では、35坪の住宅が「ちょうどいいサイズ」の住宅としてよく紹介されています。
床面積35坪の間取り
床面積が35坪ある場合、どんな間取りが実現可能なのでしょうか。少し例を上げてみましょう。
・パントリー:2.5畳
・洗面所、バス
・トイレ×2
・居室3部屋:9畳、9.5畳、7畳
・ウオークインクローゼット
パントリーは食料品などを保存するためのスペースで、お米や買い置きの缶詰、常温保存などの野菜などをしまうことができます。買い置きの食品の保管場所はキッチン周りの悩みのタネになりがちですが、パントリーを設置することで、キッチン周りをすっきりさせることができます。
居室についても余裕を確保できます。子ども部屋を5畳から6畳程度とするケースもありますが、35坪あればやや広めにスペースを確保することができます。ベッドに加え、必ず学習机を設置しなければならないことを考えると、このぐらいのゆとりは欲しいところです。
これが35坪ではなく、30坪の住宅となると厳しくなります。リビングやパントリー、居室の面積を削り、洗面所やキッチンなどの生活に必要な部屋の面積を確保しなければなりません。
もちろん、面積が広ければ広いほど余裕のある家づくりにはなりますが、夫婦に子どもといった家族構成の場合、35坪がゆとりのある住空間の最低ラインとなるでしょう。
35坪の住宅の金額は?
例えば坪単価が40万円とした場合、35坪なら1400万円になります。
ただし、坪単価で表されるのは建物の価格のみであるため、それがそのまま家を建てるために必要な金額とはなりません。他にも、平や庭などの外構工事や、水道の工事、各種手続きにかかる費用などが必要になります。一般的に、建物価格は総費用の7割程度になることが多いため、家をたてるための費用は2000万円程度になると計算できます。
これに土地の購入費、例えば2000万円を加えると合計で4000万円になります。
住宅の価格も土地の価格も、ケースによって大きく変わるため、この金額はあくまで仮定でしかありません。ただ、同エリアでマンションを購入するよりは、注文住宅のほうが高くなりやすいです。
しかし、注文住宅では自由に間取りや見た目を決定することができ、自分好みの快適な住宅をつくることができます。予算やライフプランと相談しつつ、住みよい家のためにはどうするのが良いかをよく考えてみましょう。