1.特徴
●原点「ミゼットハウス」
ダイワハウスの話題で忘れてはならないのはミゼットハウスの存在です。
ミゼットハウスは1959年にダイワハウスが発売した簡易住宅です。今で言うプレハブ住宅のようなもので、当初は庭にすぐに組み立てることのできる子ども部屋、というコンセプトでした。ミゼットハウスに搭載された機能は増えてゆき、次第に多機能な住宅になってきました
現在のダイワハウスも、時代のニーズに応えた住宅をそろえています。尖った特徴はありませんが、必要な機能や装備を一通り揃えた住宅です。バランスが言い分、特にこれ、と呼べるようなものがないのは贅沢な悩みとも言えるかもしれません。特徴がないのに坪単価は高めなので、割高に感じてしまうかもしれません。
●民間で初めてディベロッパーに
ダイワハウスは宅地の開発・分譲を積極的に行うディベロッパーを、民間で最初にスタートさせました。このように住宅以外の、分譲マンション・賃貸住宅、分譲やリフォームにも力を入れています。業界内でトップクラスのシェアを誇っているのは、開発事業やマンションも手がけているからです。積水ハウスも同じように分譲住宅やマンション開発に力を入れています。
●40年以上の長期保証
保証は40年+αの設定で、長期に渡り保証が受けられるようになっています。家を長持ちさせ、快適に住み続けるにはメンテナンスがかかせません。保証が長く設定されているため、メンテナンスも長い間受けられます。
住宅の保証を考えたり、比較したりする際には、ハウスメーカーの経営状況について知ることも大切です。長くても数年で終わってしまう家電などの保証と違って、住宅の保証は何十年と続きます。当然、会社が倒産してしまったら保証は受けられません。また、経営状況についての情報は、倒産で建築が中断してしまうというリスクを考える上でも必要な情報です。
●xevoシリーズ
ダイワハウスの住宅には、木造軸組み工法の住宅や、鉄骨系プレハブ住宅、重量鉄骨の住宅など様々なラインナップがあります。その中でも最近プッシュされているのがxevoという名称の商品です。狭い土地に3階建て住宅を立てるなどの特殊な場合を除けば、基本的にxevoシリーズで建てることになるようです。
ダイワハウスのxevoシリーズは、外張断熱通気外壁の住宅です。この住宅に使われる断熱素材については、施工中の雨に弱いという欠点があります。繊維系の断熱材を使用しているため、雨に濡れると断熱性が下がるだけでなく、建物自体にも悪影響を与える可能性があります。雨の際には濡れることのないように、しっかりと養生する必要があります。もし断熱工事中に雨の降るようなことがあれば、しっかりと対策が取られているかどうか確認しておきましょう。
ダイワハウスにはxevoシリーズの他に、免震住宅や制震装備も販売しています。プレハブ住宅で免震に力を入れた商品を発売したのはダイワハウスが最初です。しかし、とくにこの地震に強い住宅の販売に力を入れているという様子はありません。地震に強い住宅を全面に押し出している一条工務店とは対称的なスタンスです。
XEコート
XEコートはダイワハウスで採用している長寿命の外壁コーティング剤です。外壁の寿命を延ばすことで塗り替えの回数を減らし、将来的に掛かるであろうコストを削減するのが目的です。
外壁塗替えのスパンは10年前後というのが一般的です。これがフッ素コートになると、塗り替え時期が15年間隔になります。たった5年差に見えますが、外壁の塗替えには一階数十万円かかるため、例え1、2回でも減らせれば大きな節約になります。条件によって変わってきますが、30年間で100万円の差がでることもあります。
たかがコーティング剤の塗り直しに数十万円は高いと思うかもしれません。確かに塗料に掛かる金額だけではそれほどの額にならないかもしれません。しかし作業をする職人の人件費や、外壁全体を塗るための足場の設置など、外壁の最塗装には思っている以上に手間や時間がかかります。
また、住宅のメンテナンスは外壁以外にも行う必要があります。給湯器は10年で交換することが推奨されていますし、何十年と使用するうちに水回りのメンテナンスやリフォームの必要も出てくることでしょう。他にもいろいろ手間やお金がかかることを考えると、外壁の寿命が伸びるというのは非常に重要な要素です。
外壁の塗り直しやその他のメンテナンスに具体的にどのくらいのお金がかかるのか、早めの段階で聞いておくと将来的な設計を考える際の参考にもなります。
2.評判
●営業について
大手なら小規模な工務店と違って、接客の質が高く均一であると思うかもしれませんが、評判を見る限りそうでもないようです。最初といっていることが違う、契約が済むと扱いが雑になる、など他のメーカーでも良く見かけるような評判をよく見かけます。大手なだけあって、評判の数も多いため、どうしても悪い評判が多いように見えてしまうようです。ただ、地域や担当ごとの差が大きいという話はとくによく見かけるため、これに関しては当てはまっていると見ても良いでしょう。
逆に、担当になった営業が良い人だと、それだけでそのメーカーに決めてしまいたくなるかもしれません。確かに、家をたてるまでの相談や、引き渡し後のアフターケアなど、長期に渡る付き合いがつづくため、営業との相性はかなり重要です。しかし、それ以上に家の機能や快適性、コストパフォーマンスなど見るべき部分があります。営業の印象やトークだけに振り回される事のないように気をつけましょう。
●住宅について
ダイワハウスの住宅そのものについての評判は、特に問題のあるものではなく、好評のようです。特に目立った特徴のないメーカーではありますが、反対に言えば目立って不足している点や欠点がないと見ることができます。
気になるのは、雨漏りについての報告が若干多いように思います。雨漏りは材料や設計の問題というより、現場の施工に問題があるケースが殆どです。現場でのチェックについては、素人が見ても判断が難しいため、気になるのであれば専門家に一度相談してみるのもありです。
●引き渡し後のアフターケアについて
ダイワハウスの保証は40+α年の長期保証です。長い保証がついていれば安心、と思いたいのですが、あまりダイワハウスのアフターケアの評判は良くないようです。
仕組みやシステムが悪いというよりも、対応や態度など人の方に問題があるようです。すでに住宅を購入して住んでいる人よりも、契約する前の人の方が大切になってくるのは仕方ないのかもしれません。また、年月が経つごとに住んでいる人の状況や、会社の状況や担当が変わってしまうなど、ある程度の不都合が生まれてしまうのは仕方ない麺もあります。しかし、こうしたアフターケアの対応の悪さが評判を下げてしまっているのは残念でなりません。高額な商品を購入し、使い続けている人に対しては、もっと真摯な態度で接して欲しいものです。
3.価格と坪単価について
住宅のタイプ・プランによって坪単価が変わります。安いものでは坪40万円から、高いものだと坪60万円からとなります。実際の平均坪単価は71万円前後となるようです。