1.特徴
設備の充実
パナホームは名前からも分かるように、パナソニックグループの一員です。
そのため住宅に付属している設備の室が高く、充実しているのが特徴です。
単純な性能だけでなく、エネルギーの使用を抑え環境にも家計にもやさしい設備の導入を進めています。
商品としては「エルソラーナ」や「CASART」などがあります。
限られた敷地を有効活用する仕組みもあります。
普通、壁や柱の移動はモジュールの半分か4分の1の単位でしか行えません。
しかしパナホームでは15cm単位での調整が可能です。
これによって間取りの柔軟性は格段にあがりました。敷地に限りがある場合も、廊下の幅を少し狭めて部屋を広げるのもやりやすくなります。
パナソニックグループ全体で考えると、太陽光発電で一歩先を進んでいた三洋電機を子会社化しています。
太陽光発電システムの導入を考えているのであれば、詳しい話を聞いてみる価値が有るかと思います。
パナソニックの販売しているテクノストラクチャー工法の住宅も人気があり、注目を浴びています。
環境にやさしい住宅づくり
パナホームは一時期、住宅の販売よりも賃貸の住宅に力を入れていました。
この頃のパナホームの住宅は、他の鉄骨プレハブ系住宅の例に漏れず、特に目立った特徴のない良くも悪くも平凡な住宅でした。
方針に転換があったのは、パナソニックがエコや省エネを重視するようになった時期でしょうか。パナホームで販売する住宅も、同じように環境への配慮を重視することでパナホームの個性をする方針になったようです。最近は身体住宅でもある程度の規模以上の住宅は、環境性能を報告することが義務付けられています。今後はより一層環境にやさしい住宅づくりに力を入れていくと思われます。
鉄骨は工場で加工
パナホームの住宅は、鉄骨プレハブ系住宅です。鉄骨加工の大部分を工場で済ませ、現場で組み立てるという手法を取っています。この方法は、積水ハウスやダイワハウスでも行われています。工場で加工するため、現場の職人の技術によらず、均一で正確な製品を作り出すことが可能です。
しかし、鉄骨住宅と言っても、柱や梁以外の部分以外は木材です。鉄が2割で残りの8割が木材であると考えて問題ありません。それに、基礎は現場でしか作れませんし、当然鉄骨の組立は現場の人間が行います。材料の多くを工場で加工するからと言って、現場での作業が重要なことには変わりないのです。いくら工場で質の高い建材を用意していたとしても、現場の管理が行き届いていなければ不十分です。
最近では、大臣認定や住宅型式適合認定を受けるメーカーが増えていますが、中にはこの仕組を悪用し、必要な強度や性能に達していない住宅を販売しているケースも存在します。こうした認定を受けた住宅は、建築基準法とは別の基準を満たしながらつくられるため、安全性などをチェックしづらいという欠点があります。パナホームも型式部材等製造者認証を取り消された過去があり、不安な場合は第3者の専門家に相談したほうが良いでしょう。
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2.評判
換気システム
パナホームの換気システムは特殊なもので、吸気口と排気口のうち、吸気口にのみ換気扇を用いるものです。あまり一般の住宅には使われることはないものです。吸気口にのみ換気扇を用いるのが珍しいのは、排気口のみに換気扇をつけるのと比べて家の中の湿気を室内に残してしまいやすいという欠点があるためです。
また、この換気システムでは床下の空気を室内に取り込むことになっています。床下の空気は、比較的涼しいという利点はあるものの、湿気やすいという欠点があります。また、住宅の床下にはシロアリ対策として薬剤が巻かれることが多く、安全な空気といえるかどうかは疑問が残ります。パナホームではシロアリ対策として、薬剤を散布する代わりに防蟻シートを用いています。散布よりは空気中にただよう防蟻成分は少なくなるかも知れませんが、その傍を通った空気が室内に供給され続けるのは、少し怖いように思います。
キラテックタイル
パナホームではパナソニックグループの製品が多く使用されており、以前からパナソニックの商品を愛用していた人であれば満足度はかなり高いでしょう。クボタ建材や三洋電機の子会社化で、最近ではよりいっそう商品の幅が広がってきたように思います。
パナソニックグループの製品として特に注目したいのが「キラテックタイル」という外壁タイルです。パナホームで建てるなら絶対選んでおきたいと言われるほどで、採用したひとの評判もなかなか良いようです
キラテックタイルは火災や汚れに強いタイルです。光触媒を表面に焼きつけてあるため、降雨や散水で簡単に汚れが落ちるようになっています。外壁の清掃というのは普通かなり労力を要するもので、特に2階建て3階建ては専用の器具を使った大掛かりなものになります。キラテックではこうした清掃やメンテナンスの手間を削減できます。また、タイル外壁は退色も少なく、経年劣化による外観の変化が小さくなります。
他のメーカーでも、光触媒を用いた外壁は存在しています。しかし、光触媒を塗布する手法が多く、一緒に塗る塗料の寿命に左右され、塗り直しが必要になるという問題を抱えています。たとえばKMEWの光セラであれば30年ごとに塗り替えることを進めています。キラテックタイルは焼き付けのため、塗料の劣化による塗り直しの心配がありません。
営業の評判
パナホームには直営店とディーラーによる代理店があり、両者の差が開いているという声があるようです。直営店に比べると代理店は知識が不足などから来るトラブルも多いようです。最近は代理店を縮小する傾向にあり、直営店を増やしています。これにより、以前より社員教育がしっかりと行き届くようになるでしょう。
また、パナホームに限った話ではありませんが、契約前は親身になって対応してくれていたのに、契約を終えた途端態度が冷たくなったという話を聞きます。新しい顧客の獲得に必死になるのは営業マンの性なのかもしれませんが、態度の急変は不信感につながりやすく、こうした態度が機会の損失につながっているのではないかと思えてなりません。引き渡し後の対応についても、不満の声があるようです。アフターケアについては地域差も大きく、今後の社員教育によってムラが無くなることを祈るばかりです。
キャンペーン
住宅の宣伝の中には「キャンペーン」と称して、今だけお得になるという宣伝方法をとっているのをよく見かけます。パナホームも例に漏れず、頻繁にこうしたキャンペーンを開催しているようです。
「キャンペーン」や「今だけ」といった言葉は魅力的ですが、高額になる住宅の購入の際には注意が必要です。基本的に、キャンペーンだからお得に住宅を購入できるということはないと考えて下さい。消費に期限がある食品や、流行や季節がある洋服な度と違って、住宅は契約してから建てるため「いま売らなければ廃棄になる」という事態はありません。どんなキャンペーンを展開していようと、住宅を販売する以上は利益を上げなければなりません。例え非常に安くなっている部分があったとしても、他の部分で利益が上がるようになっているはずです。ハウスメーカーの行うキャンペーンは宣伝や営業の手段や方向でしかなく、安く購入する手段にはなりません。
キャンペーンという言葉に安易に惑わされることなく、冷静に見積もりの詳細を見るようにしましょう。パナホームの住宅は、同じ鉄骨系の住宅のハウスメーカーと比べると、それほど高いものではありません。設備から見ても良心的な価格設定になっています。慌ててキャンペーンを利用しなくても問題ないと思います。
型式部材等製造者認証取り消し処分
型式部材等製造者認証取とは、あらかじめ国土交通大臣に建物や一部分がそれぞれ必要な規定や法律に適合していることを認定してもらうことで、建築確認時に審査の省略を受けられるというものです。一々申し込み、審査をする時間をカットすることができるため、時間や手間の節約になります。
仕様の統一によってコストカットを行っている大手メーカーには特に都合の良いシステムで、色々なメーカーが型式認定を取得しています。ただ、この型式認定は第3者からのチェックがしづらいのが難点です。型式にはそれこそメーカーの特許のようなもので、できれば外に公開したくないものだからです。
パナホームは2009年に、認証取得時の仕様に満たない住宅を建てていたとして型式部材等製造者認証取を取り消されたという過去を持っています。この時は耐火基準の不足による取り消しでした。パナホームの評判を調べると、今でのこの認証取り消しの話題を目にします。二度とこのような事態で評判を落とす事のないように、誠実な家造りをして欲しいです。
3.価格と坪単価について
平均の坪単価は69万円です。鉄骨系ハウスメーカーの中では抑えめの価格帯です。
商品ごとの坪単価としては、
エコを重視した「エルソラーナ」では坪55~75万円
ライフスタイルへの適応を重視した「ユールキア」では坪60~75万円
3階~5階建て住宅の「ソルビオス」では70~85万円、です。