1.特徴
万全の湿気対策
エスバイエルの住宅は換気や結露に注目した構造が特徴です。木造住宅の欠点の一つに、壁の中が湿気やすく結露が起きやすいというものがあります。壁の中に結露ができることで、カビ発生の原因となったり、腐った梁や土台にシロアリが発生する原因となったりします。とくに20年ぐらいまでに建てられた木造住宅においては、このような問題が起きやすくなっています。
エスバイエルが2009年に発売した「Loop」には、こうした問題を解決するための様々な工夫がされています。木造住宅を長持ちさせ長く住むことのできる家になるように「壁体内換気システム」「壁内結露の見える化」「壁の中が見える窓の設置」などの対策が取られています。
エスバイエルの住宅以外でも、最近の木造住宅は結露対策が取られているのが普通です。梁や土台の間に風の通る隙間を作り、湿気がたまらないような構造になっています。また、外壁に湿気を通さない防湿シートを使い、建物内に入る湿気を減らす工夫も施されています。
エスバイエルの「Loop」では、壁の中の空気の通りを良くするだけではなく、壁の中を見るための窓を設置することで点検を簡単にできるようにしています。目で見て確かめることができるため、万一カビが発生していても被害が広がる前に気がつくことができるようになります。
ただし、換気のために壁内に隙間を設けることになるため、沢山の断熱材を入れることはできなくなります。また、夏季や梅雨時など高湿度の環境下でどの程度効果があるのかが不明瞭な点もあります。
2つの工法
工法にも特徴があります。2種類の工法から状況に応じてどちらかが選択されているようです。
1つ目は「パネル工法」。ミサワホームでも採用されている工法で、釘ではなく接着剤を用いるものです。釘よりも丈夫で錆びる心配がなく、100年持つ耐久度があります。パネル工法を採用するには工場でパネルを製造できる必要があります。大手メーカーらしい工法であるといえます。
2つ目は「HYT(HYPER TECHNICAL WOOD)工法」です。これは、パネル工法と軸組工法を合わせたハイブリッド工法です。筋交いの代わりに合板を用いて強度を得る方法を更に進化させたもので、予め枠を組まれた構造材を柱や梁の間にはめ込むという方法を取ります。パネルの固定には接着剤ではなく金物を使用するため、接着剤よりも点検がしやすくなっています。そのため、ミスが発生しづらくなっているというのもポイントです。
2.評判
営業の評判は概ね良好です。創業も古く、安定している会社なため、拡大中のハウスメーカーと比べると余裕が有るためでしょうか。
営業としての経験を重ねているベテランも多く、営業の提案についての評判も良いです。
技術面や価格面では他社に引き離されている面もありますが、営業とは長く関わることにもなるため、人当たりが良いというのは大切な要素であるといえます。
デザインについての評判も良いです。特に自由設計のデザインについての評判は高く、設計の育成に力を入れていることを感じさせます。せっかく家を持つのなら、見た目にもこだわりたいという人は多いはずです。ただ、デザインに力を入れると価格は上がりやすいため、どこまでこだわるかは予算と相談しながら考えてゆくことが必要です。
3.価格と坪単価について
エスバイエルの住宅は、全体で言えば中間層にあたる価格帯です。
規格住宅(光風・MOO・Vit.「自分流」・VitPremium・wingmodern・ハイパーエコロジー住宅・家族の休日・多世帯住宅)の場合、坪45~70万円。
自由設計(MINCA・SIMPLE & MODERN・小堀のすまい・アステア・New Authent・GP1)の場合、坪55~80万円。
ネット販売の「ネットde住まい」の場合は坪28万円から。
3階建て住宅では坪60~75万円。
ネット販売住宅の安さが際立ちますが、通販のように家を買うのには一抹の不安が残ります。