住宅は高い買い物。
長く続く住宅ローンの返済を考えると、できるだけ節約して建てたいところです。
しかし節約を目指すあまり、材料費や設備費を削って住みづらい家にしてしまっては意味がありません。
可能ならば、機能や快適さを損なわずにコストカットを目指したいです。
「本当にそんな都合のいいことができるの?」と思うかもしれませんが、実は注文住宅はちょっとした工夫で建築費を大幅に節約できます。
反対に考えると、間違った建て方をしてしまうと無駄にコストがかかってしまうということでもあります。
では、どんな点に注意すればコストパフォーマンスの良い住宅が建てられるのでしょうか?
四角い家が一番安い
結論から言うと、家の形を真四角に近づければ近づけるほど安く建てやすくなります。
住宅価格を安く抑える方法には色々あります。
坪単価の安いハウスメーカーに依頼したり、オプションを削ったりグレードを下げるのも効果的です。
しかしこれらの方法には、安くなる代わりに家の質が下がるという大きなデメリットがあります。
しかし家の外観、とりわけ家を真上から見たときの形を意識するという方法なら、家の質や快適さを損なわずにコストカットができるのです。
四角い絵が安い理由
なぜ家のシルエットが家の価格に影響するのでしょうか。
そしてなぜ四角い家が最もコストパフォーマンスが良いとされているのでしょうか。
答えは簡単です。
住宅は表面積と角の数が増えるほど高くなるからです。
凹凸が少なくなれば表面積が少なくなり、床面積が同じであっても屋根や外壁の面積は減ります。
使用する材料が少なくなれそれだけ安くあがります。
それ以上に重要なのが角の数。
角は力のかかる場所であるため丈夫につくる都合、壁よりもお金がかかります。
角が増えれば増えるほど費用がかさむため、角の少ない真四角に近い家の方が有利です。
また、1階と2階の広さが同じ総2階の住宅の方が安くなります。
2階部分の面積が1階よりも狭いと、屋根の面積が増えてしまいます。
雨風にさらされる屋根の部分は定期的なメンテナンスや修繕を必要とするため、建築コストだけでなく、維持コストも多くかかってしまいます。
総2階を好まない場合や、そこまで部屋を必要としていない場合は、2階の一部をバルコニーにするのもオススメです。
飛び出す形でバルコニーをつくるよりも安定性があり、コストも抑えられます。
コストパフォーマンスの悪い家の例
家を安く建てる場合に、避けた方が良い家の例をいくつか紹介します。
●L字の家
庭を囲むようなL字の家は、見た目は良いもののコストパフォーマンスはあまり良くありません。
四角い家に比べて角が増え、表面積も増えるため、部屋の広さは同じでも値段が上がってしまいます。
土地の形状によっては仕方ないこともありますが、土地に余裕があるなら避けた方が良いでしょう。
●中庭のある家
おしゃれな中庭のある住宅に憧れる人は少なくありませんが、価格面でみるとあまり好ましくありません。
建物の内側に庭をつくるのですから、外壁の表面積もぐっと増えます。角の数も真四角の家に比べて倍になってしまいます。
憧れだけで考えるのではなく、本当にその費用に見合うだけの理由があるかどうかをもう一度よく考えてみる必要があるでしょう。
●下屋のある家
下屋とは、建物から差し出してつくられた屋根のことです。
玄関ポーチの上の屋根として下屋をつくるのなら良いのですが、建物から部分的に飛び出してしまった居室の屋根に下屋をつくるのは良くありません。
屋根や壁が増えて費用がかかるのはもちろん、見た目もごちゃごちゃして見えてしまいます。
このような下屋は、欲しい部屋を適当にくっつけるようにして間取りをつくってしまった場合に生じてしまいやすいです。
要望に応じた部屋をつくり、好きなように間取りを考えていくのは良いのですが、家のシルエットがどういう形になるのかは常に意識の片隅に置いておきましょう。
四角い家のデザイン
凹凸の少ない真四角に近い家は、外観をいい加減に決めてしまうと、安っぽく見えたり、無機質に見えてしまったりします。
シンプルな外観に合うよう、色や質感を決めていくようにしましょう。
家の形にあったデザインを選べば、シンプルでモダンな雰囲気の住宅に仕上げることができます。
安く建てたい場合や四角い家以外の場合でも、家のシルエットとマッチした外壁を選ぶことが大切です。
家の内側だけでなく外側にも気を使う
住宅を建てるとなると、どうしても内装や間取りなど、家の内側のことばかりを考えてしまいます。
しかし、コストや維持のことを考えるなら、家の外観や形についてもしっかりと決めておく必要があります。
角の多さや凹凸は家が高くなる要因です。
家の外観について特にこだわりがなく、安く建てたいのなら、できるだけ四角に近いシンプルな形になるように心がけましょう。
内装のグレードを下げたり、オプションを削ったりするのと違い、生活の快適さや住宅の品質への影響を抑えつつコストカットができます。