住宅はその予算によって二つのグレードがあります。1000万円から3000万円までのローコスト住宅、3000万円以上のハイグレード住宅の二種類ですが、最近では不況のために住宅にかけるお金がないという方々へ向けて、低コストに拘った「コミコミ1000万円」で買える家も各メーカーが用意しています。
ただ、このような住宅を購入して後悔をした、と言う声が無いわけでもありません。その上、このような住宅を購入する際に家の安全性が気になる方も多いでしょう。
気になるのも、コストが低くなっているせいで材料や工程などに何かしらの手抜きがあるのでは、と思われるからでしょう。
ですが、はっきりと言ってしまえばそのようなことはありません。コストを抑えているのには、手抜きをしている訳ではなく、しっかりとした理由があるのです。
ローコストで住宅を建てられる理由とは
ローコスト住宅の中でもコミコミ1000万円の住宅は最大限にコストを抑えている住宅です。
ですが、どのような方法によってコストを抑えているのでしょうか。
まずはその理由を見ていきたいと思います。
ローコスト住宅がコストを抑えることに成功している理由としては以下の三つのことが挙げられます。
・一つの会社が全ての工程を行う
本来、住宅を建てるためには様々な工程があり、その工程ごとに事務所があったり、専門事業としている工務店などがあります。
しかし、これらを全部違う業者に依頼をすれば当然それぞれに料金がかかります。
これらの中間マージンが発生するために家を建てる際に掛かる料金というものはどうしても高くなってしまうのです。
ですが、大手住宅メーカーなどは設計から工事までを一貫した会社が行うことができるようになっています。もともとは個々の業者に分かれている作業を、設計部、工事部、営業部、と言うように各部門に任せることによって、中間マージンを発生させないことに成功しているのです。なお、そうすることで最も削減できているのは人件費です。
もちろん、個々の業者に依頼をした方が、職人のノウハウによって住宅のクオリティは上がり易くはなりますが、最近では大手のメーカーでもノウハウを蓄積しているので、そこまで大きなクオリティの差はありませんし、一定のクオリティの住宅を少ない値段で購入できるようにもなっているのです。
・材料を自社工場が用意している
住宅メーカーの多くは、自社工場を保有しています。そこで、建材などを用意することでコストを抑えているのです。
日本中の業者から建材を仕入れれば、それだけ輸送費用もかかりますので、物流コストが大きくなってしまいがちです。ですが、自社工場から仕入れることができれば、独自の販路で安く建材が手に入り、建材のクオリティを下げることなく安く建材を仕入れることができるのです。
・職人との提携による人件費の削減
最後のポイントは、実際に施工を行う職人との提携関係です。近年では職人が不足しており、工賃が高騰しています。工事は日割り計算なので、工事が長くなれば費用は高くなりますし、最近では工事自体も少なくなっているので、職人たちも生活のためにその日当を上げざるを得ない状態になっているのです。
しかし、それは仕事量が不安定な職人だけであり、住宅メーカーは提携している職人に対して、安定した仕事を回すことによって、費用が高騰するのを抑えることができているのです。また、職人もそう増えませんので、人件費が上がることもないので、コストをより効率的に抑えられているのです。
●後悔しないためにもどんな商品があるかを知っておくこと
以上のように、コストを抑えている理由の中に、住宅自体のクオリティが低下するような理由は存在しません。
しかし、住宅メーカーのコミコミ1000万円の住宅の中には、標準設計を導入しています、標準施一計では、例えばユニットバスの形状などの細かい設備などがすでに決められており、購入希望者が決められるのはそれ以外のことになっています。
もちろん、こちらもコスト的な無駄を抑えるための合理的なシステムなのですが、本当はユニットバスも自分の思うような形にしたいと思っている方にとっては、不満点になり易いです。
ですが、これらは購入する前に調べることができるようなことです。実際に、コミコミ1000万円の住宅を購入した人で、後悔をしている人はそれらを事前に調べていない人が多いのです。
つまりは、住宅のクオリティ自体には問題はないのですが、事前に調べていないことから後悔をすることが多いと言えます。
なので、コミコミ1000万円の住宅を建てる前には、それぞれのメーカーの商品をしっかりと調べておいて、自分が満足できるような商品を探すようにすべきだと言えるでしょう。
▼(無料)開催中の住宅講座
・1000万円台で家が建つ!?注文住宅価格まるわかり講座