自由に建てられる注文住宅は魅力的ですが、その分値段も高価です。
しかし、予算の関係で仕方なく建売住宅を選んだものの、間取りの使い勝手が悪く、せっかく家を買ったのに後悔しているという人も少なくありません。
そこでおすすめしたいのが「自由設計」の家。
予算を抑えつつ、自分好みに調整することができます。
建売住宅・注文住宅・自由設計の違い
注文住宅と同じようにカスタマイズできる印象がある「自由設計」ですが、注文住宅とも建売住宅とも違う特徴があります。
建売住宅
土地と完成した住宅をセットで販売しているのが建売住宅です。
まとめて建てるため効率がよく、3つの中で最も低価格です。
土地探しの手間もないため、時間のない場合にも便利です。
基本的に出来上がったものを買うことになるため、間取りや内装の変更はできません。
ただ、中には追加オプションで設備や壁紙の色などを変更できるタイプの建売住宅もあります。
注文住宅
一から要望に合わせて家づくりをできるのが注文住宅です。
建売住宅と比べると高価な上に、土地は別に準備する必要があります。
土地探しや打ち合わせなどがあるため、住宅の完成までに時間がかかります。
自由度は非常に高く、間取りや内装、設備、外観、外構などを自分の希望に応じて決めることができます。
ただ、取り入れることのできるものはハウスメーカー・工務店によって異なるため、どこの会社に依頼しても好き勝手できるという訳ではありません。
自由設計
土地と未完成の建物をセットで販売しているのが自由設計です。
土地と建物をセットで売っているという点では建売住宅と同じですが、建物の建築が始まる前に販売されるため、間取りも変更可能です。
内装や設備なども好みに応じて選ぶことができます。
ちょうど注文住宅と建売住宅の中間のような位置づけで、価格帯も注文住宅よりは安く、建売住宅よりは高価です。
自由設計の場合、一から家をつくっていく注文住宅とは違い、基本的な雛形があり、そこから変更していくというスタイルになります。
和室を洋室に変更するなどは可能ですが、選択肢にない設備を導入したり、もとの間取りから大きく変えた個性的な間取りにしたりすることはできません。
自由と名前についていますが、注文住宅よりも自由度は低くなっています。
自由設計のメリットとデメリット
メリット
自由設計最大のメリットは、自由度がありながら価格を抑えられることです。
注文住宅にしたくても予算的に厳しいという人にうってつけのタイプで、間取りなどを自分好みに調整しつつ、無理のない予算で家を買うことが可能になります。
注文住宅ほどの自由度はないものの、間取りを家族に合わせて変更できることは想像以上に生活を変えます。
建売住宅の間取りは標準的な家庭に合わせてつくられているため、人によっては使いにくかったり、不要な部屋があったりします。
せっかく家を買ったのに、一部屋物置にしてしまうぐらいならリビングなどの共有部分を広くしたほうがずっと快適です。
間取りの変更にはお追加料金がかかりますが、自由設計の場合は建売住宅に比べて200万円ほど高くなる程度でおさまるのが普通です。
デメリット
自由設計の注意点は販売期間が比較的短いことにあります。
多くの場合、自由設計として売られていた物件でも販売開始から2ヶ月ほど経過すると、建売住宅に切り替わってしまいます。
建売住宅の販売には、住宅の完成後建築確認申請をしなければなりません。
この申請許可には時間がかかり、最大で2ヶ月ほどかかります。
この間、家を建てた会社は土地購入費と建物の建築費を負担し続けなければなりません。
当然、固定資産税や住宅の維持費もかかります。
しかし、土地に建築条件だけ設定し、自由設計として販売すれば建築確認申請を待たずに販売することができます。
ここでいう建築条件とは、家を建てる住宅会社が指定されていることを指します。
ただ、建売住宅ではなく自由設計として売りに出すメリットは売りに出している期間が長くなるほど薄れていきます。
そのため、売れ残ってしまった物件については建売住宅に変更されてしまいます。
結果的に、自由設計の物件というのは市場に出回る期間が非常に短くなり、建売住宅と比べると物件探しの難易度が高くなります。
購入前に条件をよく確認しておくこと
自由設計の物件は、建売住宅よりも自由度が高く、注文住宅予算よりも価格が安いという特徴があります。
予算の関係で建売住宅にするか注文住宅にするか悩んでいた人には、ぜひ候補に入れておいて欲しい選択肢です。
しかし、どの程度変更できるのか、そして変更先にはどんな候補があるのかについては、物件や販売会社によって大きく開きがあるため、購入前によくチェックしておく必要があります。
この問題は自由設計に限った話ではなく、注文住宅や建売住宅にもあります。
ハウスメーカーを選んだ後で、思っていたより自由度が低いことに気がついたというのは注文住宅でよくある失敗談です。
自由設計に限らず、物件やハウスメーカー・工務店を決定する前には、必ず要望や希望に応えられるかどうかを確認しておくようにしましょう。