家を買う人なら誰もがぶつかるのが住宅ローンの問題。
どのぐらいのお金を借りられるのか、安く借りられるのはどのローンなのか、返済はどんなふうにすすめればいいのか、など、疑問は尽きません。
大切なお金についての疑問や不安ですから、曖昧にしたまますすめてしまってはいけません。
住宅ローンやお金に関する疑問は、専門家に相談し、確実にクリアしてから先に進むようにしましょう。
今回は、住宅ローンの相談先や相談内容、相談に必要なものなどを紹介します。
住宅ローンの相談相手は?
銀行
住宅ローンの相談相手として真っ先に思い浮かぶのが銀行などの金融機関です。
住宅ローンを商品として扱っており、もっとも住宅ローンに関する知識を持っています。
ローンプラザ
銀行の中には、住宅ローンについての相談を受け付けたり、詳しい説明を行ったりするための専用窓口である「ローンプラザ」を設置しています。
ローンプラザに行けば、確実に住宅ローンに詳しい担当者がいるので、相談先にはうってつけです。
銀行というと平日の昼間しか受け付けていないイメージがありますが、ローンプラザは夕方以降や土日でも営業しているところがほとんどです。
飛び込み相談を受け付けている場合も中にはありますが、原則ローンプラザの利用は予約制です。急に行っても待たされたり別日になったりする可能性があるため、必ず予約をしてから行きましょう。
住宅ローン相談会
専用のローンプラザを設置していない銀行でも、相談会を開催して住宅ローンについての相談を受け付けている場合があります。
ローンプラザと同じく、平日だけでなく、夜間や休日にも相談を行っているのが普通です。
スーモカウンターが有名ですね。
こちらも原則予約制です。
電話相談
店舗が少ない銀行や、ローンプラザや相談会に足を運ぶのが難しい人のために、電話による相談を受け付けているところも多いです。
多くの銀行には住宅ローン専用の電話窓口があり、そこから相談が可能です。
スーモカウンターも自宅からの相談が可能です。
ネット銀行の場合
大手ネット銀行の中には、住宅ローン専用に窓口やローンプラザを設けているところもありますが、実店舗がないというネット銀行の方が多いです。
こうした場合、住宅ローンの相談は電話やskypeなどで受け付けています。
ファイナンシャルプランナー
お金に関する相談といえばファイナンシャルプランナーです。
銀行以外に住宅ローンについて相談するならファイナンシャルプランナーへの相談がおすすめです。
ファイナンシャルプランナーは住宅ローンだけでなく、お金に関する専門家です。
家計全般についての相談もできます。
住宅ローンをいくら借りるかというだけでなく、今の家計状況を改善したり、教育や老後のための貯金について話したりなど、広い視野でのアドバイスを受けられます。
銀行や不動産会社に所属しているファイナンシャルプランナーもいますが、客観的な意見がほしいなら有償でも独立して活動しているファイナンシャルプランナーへ相談するのがおすすめです。
銀行所属のファイナンシャルプランナーへの相談は無料でできることが多いのですが、立場上どうしても自行の住宅ローンをすすめてしまいます。
不動産会社所属の場合も同様で、提携している金融機関のものをすすめてきます。
様々な金融機関の住宅ローンを平等に比較できるのは、しがらみの少ない独立系のファイナンシャルプランナーだけです。
たとえ相談料がかかってしまったとしても、それだけの見返りはあります。
保険のセールスをやっている人の中には、ファイナンシャルプランナーの資格を持っている人が多いです。
知り合いにいるのなら、良い人がいないか聞いてみるのも良いでしょう。
知人に充てがないなら、事務所を構えているファイナンシャルプランナーに相談するのがおすすめです。
また、ファイナンシャルプランナーの中には、自宅へ訪問して相談にのってくれる人もいます。
小さな子どものいる家や介護などで相談に行くのが難しいという人でも安心です。
不動産業者
不動産業者はハウスメーカー、工務店などでも住宅ローンの相談にのってくれます。
住宅を売るには、購入者が住宅ローンの審査に通ることがほぼ必須です。
そのため、住宅ローンのための手続きや審査については詳しい知識を持っています。
流石に銀行やファイナンシャルプランナーほど詳しくはありませんが、最初に軽く相談するという場合にはピッタリです。
知人
住宅ローンを組んだ経験がある友人や知人も大切な相談相手の一つです。
専門的な知識はなく、プロではありませんが、住宅ローンを借りる人の気持ちはよく知っています。
どこの銀行は良かった、あのファイナンシャルプランナーはあまり良くなかったなどの口コミも重要です。
同じ悩みを持った経験から、解決のための良いアドバイスを貰える可能性もあります。
特に、同じ職場の人の住宅ローン体験談は一度聞いておいて損はないでしょう。収入などの条件が近く、審査や融資金額について共通する部分が多いです。
具体的にはどんなことを相談するべき?
一口に住宅ローンの相談といっても、その内容は様々です。
銀行で住宅ローンの相談をする場合
銀行で住宅ローンについて聞く場合、主に以下のような内容について相談できます。
・借入可能額
・返済期間は何年まで可能で、何年にするのが良いのか
・変動金利と固定金利の違い
・返済額はどのぐらいになるのか
・ローンを組む際の諸費用
・必要な書類
・申込みから融資までにかかる時間
・夫婦2人で組む住宅ローンについて
・返済が困難になった場合にどうなるのか
このように、住宅ローン全般について詳しく知ることができます。
特に手続きや、借入額、返済金額などについては銀行に聞くのが一番良いです。
銀行の住宅ローン相談は無料で利用できるのが普通ですが、相談したからといって必ずその銀行で契約しなければならないわけではありません。どんどん活用しましょう。
ファイナンシャルプランナーに相談する場合
ファイナンシャルプランナーの場合、住宅ローンだけでなく、家計全般についての相談ができます。
せっかく有料で相談するのですから、銀行では聞けなかったり聞きにくかったりすることを積極的に相談しましょう。
例えば、次のような内容です。
・保証や金利などのバランスがよい銀行
・家計やライフプランにあった返済額
・現在の家計の見直しや改善
・住宅ローン控除など利用できる制度
・将来のライフプランに合わせたキャッシュフロー
住宅ローン単体ではなく、現在の家計の状況や、ライフプランと合わせて相談できるのが魅力です。
住宅ローンの返済は毎月行うため、家計への影響も大きいです。
毎月のやりくりについてよく考えずに住宅ローンを組んでしまうと、生活が圧迫されたり、急な出費に対応できなくなったりします。
特にファイナンシャルプランナーに相談するなら、家計の収支と将来の資産残高についてのキャッシュフローを作成してもらうのがおすすめです。
将来の家計の状況について、具体的に数字で見られるようになります。
住宅ローンの相談で必要なものは?
せっかくプロの知識を借りに行くのですから、しっかりと準備を整えてから相談に行きましょう。
準備不足で相談に行っても時間の無駄です。
何が必要になるかは、相談内容や現在の状況によって少しずつ異なります。
借入希望額が決まっていない
購入物件や予算が決まっておらず、どの程度借りるのかも決まっていない段階で銀行に相談に行く場合、主な相談内容は住宅ローンの概要や、融資可能額についてになります。
この際に必要になるのは、収入や借り入れの状況が分かる書類です。
会社員なら源泉徴収票か住民税決定通知書、自営業なら過去3年分の確定申告と決算書を用意しましょう。また、自動車ローンなど他に借り入れがある場合は、それらの残債証明も必要です。
借りたい金額が決まっている
物件がすでに決まってから銀行に相談に行く場合は、より具体的な相談をすることになります。
収入や借入状況が分かるような書類に加え、物件についての書類も用意しましょう。概要が分かるようなチラシやパンフレット、図面などです。重要事項説明書や売買契約書も、判子を押す前の仮のものがあれば持参しましょう。
ファイナンシャルプランナーに相談しに行く場合
ファイナンシャルプランナーにわざわざ相談しに行くということは、住宅ローンについてだけでなく、家計全般の相談をしにいくということです。
当然、資料もそれに合わせて家計全体の状況が分かるようなものを用意します。
収入や借入状況、物件についての書類に加え、家計簿や預金通帳も必要です。家計簿をつけていない場合は、生活費や光熱費の引き落としに使っている通帳を用意し、内容について簡単に自分でもまとめておきましょう。また生命保険や自動車保険など、定期的な出費があればそれについても書類をよういしてください。
相談に行く時の注意点
相談先と相談内容について確認したら、いよいよ実際に相談に行くことになります。この際、絶対に気をつけておくべき点が3つあります。
必ず予約をする
銀行に相談しに行く場合も、スーモカウンターで相談する場合も、事前予約が基本です。飛び込みで行くのは原則NGです。
時間の都合ももちろんありますが、一番の問題は相談やアドバイスの質が落ちるということです。
ファイナンシャルプランナーも銀行も、相談相手にあわせて準備をしています。
いくら専門知識があっても、事前の準備なしでは良いアドバイスをするのは困難です。
せっかくお互い時間を割いて相談するのですから、良い成果を得られるように必ず予約を入れましょう。
相談内容は決めておく
自分が相談を受ける側になると想像してみれば分かることですが、何を相談したらいいか分からないまま相談に来られても何を話したらいいか困ってしまいます。
事前に何について質問するかを決めてから行くようにしましょう。
できるならメモにして、聞き漏らしがないように準備しておくと良いです。
もし住宅ローンについて何も知らず、何について聞いたらいいかもわからないという場合は、相談に行く前に最低限部分については自分で勉強しておきましょう。
素人がすぐに調べて分かるようなことをわざわざプロに相談するのは、時間とお金の無駄遣いにしかなりません。
料金の確認
ファイナンシャルプランナーに相談しに行く場合は、必ず最初に料金について確認しましょう。
基本的には相談は有料ですが、30分なら無料、それ以降は有料などの料金体系の場合もあります。
また、知人のファイナンシャルプランナーに相談する場合でも、できるだけ謝礼を用意しましょう。
知り合いだからといって、資格のある専門家にタダで当然という態度をとるのは非常に失礼です。
お金はいらないといわれた場合でも、コーヒー代を出したり、お菓子などを渡したりなどのお礼はするのがマナーです。
住宅ローンのベストな相談先は内容による
住宅ローンについて相談できる相手はいろいろいますが、どんな相談にのれるかは相手によって様々です。
得意分野や相談のしやすさもバラバラです。ですから、住宅ローンについて誰に相談するべきかというのは、何を相談したいかによって変わります。
住宅ローンそのものが不安
ローンを組むことや返済そのものに不安があるなら、ファイナンシャルプランナーか知人への相談がおすすめです。
銀行や不動産業者は住宅ローンについて詳しいですが、どちらもローンを組んでもらうことが利益に繋がります。
どう相談しても、結局はローンを組む方向で話が進み、住宅ローンを諦めるアドバイスをすることはありません。
ファイナンシャルプランナーならば、中立的な立場からのアドバイスが期待できます。
また、住宅ローンを組んだことのある知人も同じ悩みを抱えていた可能性が高いです。どのようにその不安を解決したかのアドバイスが貰えるでしょう。
どの住宅ローンを選んだらいいか分からない
お得な住宅ローンや、保証と安さのバランスがいい住宅ローンを見つけたい場合は、不動産業者とファイナンシャルプランナーに相談するのが良いです。
不動産業者は今までの契約者がどの住宅ローンを使っていたかという実績を知っています。
ただ、おすすめとなると提携している銀行をすすめてくる可能性が高いため、鵜呑みにしてしまうのは少し危険です。
しっかりと比較をしたいならファイナンシャルプランナーです。様々な銀行の住宅ローンを比較し、ベストな住宅ローンを教えてくれます。
審査について知りたい
住宅ローンの審査が不安だという場合や、一度審査に落ちしまった場合などは、まずその金融機関に相談しましょう。
ローンの可否についてその明確な理由は説明しないのがルールですが、改善点や一般的に考えられる原因については教えてくれます。
不動産業者やハウスメーカーなどへの相談もおすすめです。
ローンが組めなければせっかく捕まえたお客を逃してしまうことになります。
審査について詳しいだけでなく、どうにかして住宅ローンを組めるよう、いろいろと尽力してくれます。